嫁と姑

嫁である私。

もう亡くなってから今年で6年が経ちますが、主人と結婚してからの7年間同居していた義理の母の話。

 

嫁と姑

私にとってお姑さんであるお義母さんは、大らかで優しくて小粋な感じ。サザエさんに出てくるお母さんのような人。

 

だからと言って、私がかしこまった態度でいると「窮屈でしょうからもうやめなさい」と言ってくれる。

 

それというのも核家族で自由気ままに生活してきた家族なので、今さら行儀よくなんか出来ないと言うのが本音だったそう。
そんなお義母さんはとにかく自分が若い時の話や、両親、姉妹の話を私にいろいろ聞かせてくれました。

 

義理の母が昔どうだったかなど、正直興味がないといえばないのだけれど、私と話がしたそうにされるとついつい聞いてしまいました。
始めの頃は、これも嫁の仕事!と自分に言い聞かせ、仕方なく聞いていたのが本音でした。でも何年も生活していくうちに、この人は私が大好きになり結婚した主人のお母さんなんだと改めて感じていったからです。

 

お姑さんが自分の旦那のお母さんであることは、当たり前の話。
でも共に生活をしていくと、お姑さんという肩書は変わりませんが、いつしか旦那のお母さんであることの方が強く感じられていったのです。

 

そのきっかけが「母の日」でした。2度3度と迎えた「母の日」に、お決まりの花をプレゼントする。

 

本当の事を言うと、お義母さんに贈るプレゼントは義務に近い気持ちだった気がします。

 

「あなたのお母さんなんだから、あなたがあげたら?」と主人に言ったことすらありました。そう言うと主人は、「お前からの方が喜ぶから」といいます。
別にお義母さんの事を嫌っていたわけではなく、ただ「母の日」は、自分を生んでくれた母に贈るものじゃないの?と思っていたからです。

 

 

嫁と姑

実際、多くのお嫁さんたちは嫁ぎ先のお義母さんに贈り物をしていますよね。

 




お嫁さんを迎えるお家の両親が、嫁を嫁ではなく娘が1人増えたと思ってくれるのなら成立する「母の日」の贈り物だと私は思っていました。
そこなんですよね〜。

 

本当の母娘でもないのにそりゃぁなかなかのもんですよ。

 

どうしてもお義母さんに対しては、自分の母への気持ちとは同じようになれません。なんて意地悪な嫁なんだろうと、自分が嫌になることさえありました。
その反面、同居して日の浅かった頃の私は、そこで初めて自分の母親の苦労を思い知ることとなりました。

 

解っていたつもりでいた母の嫁姑問題。
自分が同居してみてその居心地の悪さは言葉では言い表せません。

 

1年に1回の「母の日」。
まだかろうじて若かった私の苦い思い出です。